「俺に何かあったら、残った作品とか材料は全部山に穴掘って埋めてって石屋に頼んできたからね。みんなには迷惑かけないからね。」

2年半前、義父が急に発したこんな言葉が、Vitarteの構想のきっかけでした。

彫刻家仲間が亡くなり、残った材料の処分に困っているご遺族から相談を受けたこともあっての発言だったそうです。

石彫の彫刻家として生きてきて、人生をかけて向き合ってきた作品たちの最後が山の穴の中で良いのだろうか?

そんなことを勝手に思い、まだ義父が元気なうちにせっかくなら一緒に新しい価値を生み出してみたい!と取り組みを始めました。

まずは作品制作の過程で出た端材を元に、ゆくゆくは昔の作品も分割したり作り替えてインテリアに…と思っていましたが、実は作品をスクラップ&ビルドして新しいものに作り替えることは義父はもう何年も前からしていたのだそうです。(文部科学大臣賞をいただいた作品も、なんともう無いのだとか…!それはさすがに潔すぎて驚きました)

大理石の聖地と言われるイタリア カッラーラの大理石をはじめ、イタリアのトラバーチン、イランの赤トラバーチン、イタリアやポルトガルの大理石、ベルギーの黒大理石、そして義父の作品の主たる素材である神奈川 真鶴の本小松石…

上質な素材と技術の融合。そこにインテリアの要素をプラスして。
高齢の芸術家の方々が抱える、残った素材という困りごと。それをポジティブに解決して新たな価値に変えていきたいと私たちは思っています。

 

ブランドディレクター 荒川昌子

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